受賞しました!~ 日本造園学会奨励賞(佐々木 啓講師)
公開日 2025年05月19日
2025年5月17日(土)、日本造園学会学会賞等表彰式が日本造園学会100周年記念全国大会(東京大学)のプログラムの一つとして実施されました。
その中で、本学部の佐々木 啓講師が「国立公園におけるビジターセンター等の役割と利用者特性に関する一連の研究」で「日本造園学会奨励賞(研究部門)」を受賞し、日本造園学会会長?柳井重人氏より安田講堂にて表彰を受けました。
日本造園学会奨励賞は、研究論文、著作、設計作品、技術、事業?マネジメントに関し、造園学の進歩、発展に寄与し、将来性に富むと認められる者に授与される賞です(日本造園学会HPより)。
以下、佐々木啓講師からのコメントです。
このたびは、ランドスケープ科学(※)分野の若手研究者にとって登竜門ともいえる本賞をいただき、非常に光栄なことと受け止めております。東京大学は母校でもあるわけですが、造園学会100周年を記念し造園学の源流ともいえる東京大学で実施される今大会はまさに、全造園学徒にとっての「ホームカミングデー」とも言えるものでもあるかと思います。そうした場、さらには歴史ある安田講堂において表彰をいただき、非常に嬉しく思います。
国立公園は、日本を代表する観光資源の一つですが、そのマネジメントには課題もあり、とくに観光地経営という観点でみた場合にはオーバーツーリズム対策や観光振興のための財源の確保などなど長年多数の研究者が取り組んでいるにも関わらずなお解決できていない課題が山積しております。
その一方で、国立公園の高付加価値化の文脈でインタープリテーション全体計画を作成する動きも徐々に出てきており、インタープリテーションにも目が向けられるようになってきました。インタープリテーションは、非常に単純化して言えば、地域の自然や文化の魅力を来訪者に伝えることであり、ガイドやビジターセンターの展示?ディスプレイがその役割の多くを担っています。また最近では、遊びながら学ぶということに注目した「エデュテインメント」にも注目が集まっており、これらのインタープリテーションはまさにその一部といえるでしょう。現在開催されております「EXPO 2025 大阪?関西万博」もまさにエデュテインメントの場でもあります。
私は卒論から継続して、こうしたエデュテインメントやインタープリテーションについて、とくにその中心の一つとなる施設?ビジターセンターに注目して研究を行ってきましたので、これまでの研究を評価いただけて嬉しく思います。この賞を励みに、今後も活発に、研究活動に励んでまいります。
※「ランドスケープ科学」(造園学)は、農学?環境学の一分野であり、「人間と、風景を中心とする空間との関係性を探求する」学術分野です。近接分野には建築学(都市計画含む)、土木工学、デザイン学、森林科学、歴史学等があり,非常に学際的(分野横断的)な分野でもあります。また、「観光学」と同じく、科研費の小区分のひとつでもあります。